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[講 演]2008年度「生協大会~活動交流会~」

図1
地球温暖化の現状と最新動向
気温上昇による影響
●海面上昇
●暴風雨の拡大
●干ばつ地域の拡大
●健康への影響
●生態系の破壊
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気温上昇予測
すでに0.7℃気温上昇
100年後に最大6.4℃の上昇
人間活動の影響
 ※2℃の気温上昇で深刻な影響があるとされている。
図2
家庭のエネルギー消費の実態
家庭のCO2 排出内訳
(国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィス)
・冷房は家庭では意外と少ない(ただし、業務系は冷房が多い)
・暖房・給湯などの取組が効果的
図3
大阪市の月別標準光熱費支出額
家計調査より:電力係数(関電2006?0.338kg/kWh)
大阪市の月別二酸化炭素排出量
家計調査より:電力係数(関電2006?0.338kg/kWh)
図4 お得で効果的な省エネ法
暖房の工夫:エアコン・ガス・灯油、どの暖房が省エネ?
図5 きゅうりの月別購入割合(年間消費量に占める割合-家計調査年報)
[講 師]㈲ひのでやエコライフ研究所 代表取締役 
鈴木 靖文 氏

基調講演「地球温暖化防止をめざす快適省エネ生活」

1.地球温暖化の現状と最新動向
皆さん、おはようございます。ただ今紹介していただきました、ひのでやエコライフ研究所の鈴木と申します。
地球温暖化の問題も時代が大きく変わって来ましたね。暴走族も地球温暖化の話をする、そんな時代になって来たかと思います。私はこの「ひのでやエコライフ研究所」という京都でやっている研究所なんですが、家庭で省エネのことをいろいろと調査しまして約10年くらいになります。おおさかパルコープさんとかえひめ市民生協さんとかも大変お世話になっておりますけれども、何を調査しているかといいますと、家庭でどんなことをしたら省エネが出来るのかとか、ゴミ減らしが出来るのかといった、そんなことを調査しています。
省エネとかといいますと、今は取り組みましょうという話をよくされますが、まず頭に浮かぶのが何かといいますと、どうしても「テレビを1時間我慢しましょう」とか「冷暖房を控えめにしましょう」とか、何か自分の生活の身を削って取り組まないといけないというようなイメージが、まだまだたくさんあるかと思いますが、いろいろ調べて見ますと実はとってもいい省エネ機器も出ておりますし、簡単に、それで快適に光熱費も削減出来るという取り組みがたくさんありますので、そんな話を今日は紹介していけたらなと思います。
まず、ちょっと地球温暖化の問題。今日みたいに涼しくなってしまうと温暖化の話もあんまりしにくくなるところがあるのですが、実は世界中各地でこうした温暖化の影響が起こっています。なかなか暑い時にはこれが温暖化の影響かな? と思いますが、冬も最近は10年位暖かい冬が続いていますので、こうした長期間にわたる影響もほぼ間違いなく地球温暖化の影響だろうと言われるかと思います。日本に住んでいますと、あちこちと兆候が見られるという程度かもしれませんが、それが蓄積して行きますと、大変なことが今世界中で起こっているということを、皆さんもいろんな映像とかでご覧になっているかと思います。山に降った氷、雪ですね。これがどんどん融けてしまって、すっかり湖になってしまっているようなところ、こちらはアラスカ写真ですが、シベリアでもヨーロッパでもアフリカでも、世界各地でこうしたことが起こっているということがございます。(※図1)

実際にどれだけ気温が上がっているのかと言いますと、だいたい0.7℃くらいすでにもう上がっているということが確認されています。よく最近、地球温暖化というのは本当に起こっていないのではないかとか、起こってもたいした影響はないのではないかといった本がたくさん出てるかと思いますが、確かに本屋に行きますと同じくらい本の数が並んでいるかと思いますが、科学的にいろいろと調査をして行きますと、確かに調査研究ですので一部ちょっと違うかもしれないという可能性があるものが出てくるかもしれませんが、いろんな各社が研究しています。こちらは、去年ノーベル平和賞を取りましたIPCCという世界的科学者たちの集まり、数百人、数千人規模の集まってくる報告書を取りまとめたものなのですが、これはもうほぼ間違いなく地球温暖化の原因は私たちが出している二酸化炭素。そして将来もまた地球温暖化が起こって行くだろうということが確認されております。将来、今から100年後ですが、最大で6.4℃気温が上昇するだろうと言われておりますが、100年後どうなるかということはなかなかよく分かりませんが、少なくとも、この2℃以上気温が上がってしまいますと、生物が死滅してしまったりであるとか、もう地球がもとに戻らない可能性があるということが指摘されております。そこで2℃以内に抑えようということで、今いろんなところで議論がされているところです。政権が変わってしまいましたが、福田さんが福田ビジョンで2050年までに半減させようという話がありましたが、あれも何を根拠にしているのかと言いますと、この2℃以内に温度上昇を抑えるためには世界全体を2050年までに半減させないといけないという非常に厳しい対策が今求められているところです。京都議定書ですと6%とかいう話をよくされていましたが、桁違いですね。数十%の単位で減らして行くという、そういった社会を私たちはこれから作っていかないといけないという、そうした時代に来ているわけです。
それで温暖化、これはちょっと残酷なイラストなんですが、子供たちの実験でもこういう事が出来ます。カエルさんなんですが、ボールの中に入れまして徐々に温めて行きます。そうしますと、カエルというのは変温動物でして、気温が寒い時は冬眠しますが、暖かくなって来ると段々活動が活発になってきます。ちょっと暖かくして行きますと頭にタオルを乗せて鼻歌を歌ったりということで、徐々に徐々に暖めて行きますと、そのまま逃げ出すのではなく茹でガエルになってしまうという、こういった実験が出来るのです。逃げたらいいものを徐々に暖かくなって行くというものは、実は感じ取ることが出来ないのです。こんな鈍感なカエルであっても、熱いお湯の中にいきなり入れますと、熱いと飛び出して行きます。カエルって変な生き物だねと笑っている間はいいのですが、これは、私たちのことではないでしょうか? 今ちょっと冬が暖かくなって気持ちいいねとか、そんなような事を言っていると、いつの間にかすると本当に6.4℃、私たち人間すら生きていいけないような世界になりかねないというようなのが今言われているところです。
カエルと違うのは何かといいますと、この火を使っているのは正に私たちです。将来こういうことが起こるよということも、ほぼ確実だろうということも言われています。ここ数年の間にきちんと火を止めていくことが出来るのかどうかと言う事が、正に求められているという大切な時に来ているということです。

2.家庭のエネルギー消費の実態
こうした事を前提に家庭での省エネを進めて行こうということなんですが、あれもこれも、いろんな取り組みが世の中で言われています。全部やると実はとっても大変なんですよ。そこで、必要になって来るのは何かと言いますと、きちんと情報を集めて整理をしていきますと、実は意外なところで効果的な取り組みというものも出てきます。
こちらのグラフは1975年から今まで、家庭のCO2排出がどのように変わって来たのかということなんですが、右肩上がりで上がって来ているのが分かるかと思います。昔の半減の生活に戻そうと思ったら1970年頃の生活に戻さないといけないのかと言われますと結構大変ですよね。そんな生活になかなか戻らないかと思いますが、実は今とってもいい機器があります。以前に比べると電気の消費量が半分で済むような冷蔵庫・テレビとかエアコンとかがありますので、適切なものを選んで行くと、きちんとそれが半減して行くことが出来るということになります。ただ問題は何かと言いますと、このような右肩上がりでどんどん成長して行く。車が1人1台から、例えばみんな1人づつヘリコプターを持つという生活になって来るとエネルギー消費にもきりがないのですが、幸いなことと言うか、今、実はずっと頭打ちになりつつあるところがあります。今はみなさん、それなりに豊かな生活をしているかと思います。これ以上贅沢な生活をしないということが約束出来れば、いいものをどんどん選んで改善策をしていくことによって、どんどん減って行く可能性があるという話をして行きたいなと思います。
家庭で減らして行く為に一番大切なのは何かと言いますと、どこからたくさん出ているのか。こちらが皆さんのレジメの方にも1行ほどで書いてありますが、どこからたくさんCO2が出てきているのかなということなんですが、先ほどの図にもありましたが、自家用車からが多いですね。それから下の方に、動力他とありますが、これは家電製品です。ですから家電製品をちょっと取り組むという事も、非常に効果が大きいということはあります。まあ、使わないようにして行こうということが大切なところです。
それと、注目していただきたいのはこちら右上の方です。暖房が12%くらい、給湯が14%という数字が出ているかと思います。それに対して冷房がわずか1.9%なんです。(※図2)

よく「省エネしましょう」という時期って言いますと夏の時期をイメージされると思いますが、実は冷房というのは家庭ではほとんど使われていないのです。だからと言って、取り組まなくていいということは全くないですよ。冷房の時に取り組んだのと同じだけ、もし暖房のこれからの時期取り組むと、6倍も効果的にCO2を削減出来るということなんです。なかなか冬の時期に省エネと言われないですが、実はこれからが省エネのとっても重要な時期になって来ます。それと、もう1つは給湯ですけれども、これも7倍8倍と非常に大きな割合を占めてます。お風呂もなかなか省エネしましょうと言われて来なかったところなんです。でも意外とたくさん使っているところがありますので、ぜひこうしたところでちょっと工夫をしていただくと、もう今まで細かいところに取り組んできた以上の削減が出来るということにつながってまいります。
後ここのちょっと上のですが、一般廃棄物、ゴミというものがあります。実はゴミも燃やすとCO2が出てきますので、ゴミを減らしましょうということ、これはよくゴミ問題として別の問題として扱われてきたところがあるのですが、温暖化の問題もゴミの問題もつながっておりますので、一緒に是非取り組んでいただけたらと思います。
それから、もう1つこちらの水道の方です。水をたくさん使うと水をきれいにするために、それから高台のところまで運び上げるためにたくさんエネルギーがかかりますので、水を大切に使うという水問題も実はこの温暖化問題と大きく関わってきます。ゴミの問題・水の問題・温暖化の問題とぜひセットで考えていただいて、いい環境というものを作っていただけたらと思います。冷房は少ないのですが、夕方になってから使われる家庭が多いのですね。夏場は昼間といいますと我慢されている方が多いので、夕方になりますと気温が下がってきますので、そんなに冷房というものは使われておりません。ただ、冷房が大切なのは何かと言いますと、むしろこうしたオフィスで、みんなが集まれるところとかスーパーとか電車とか駅とか、そうしたところですと、実は夏でも昼間たくさん冷房を使っていますので、むしろ冷房の取り組みというのは家で頑張るというよりは「ちょっとここ寒過ぎないですか?」みたいな話を一言いっていくと、大きな削減につながって来るということになります。ぜひ、ポイントをついた取り組みを考えていただけたらと思います。
続きましてこちらなんですが、先ほど冷房の方が少ないよと、この暑い大阪で本当なのということなんですが、確かに大阪の毎月の支出額ですが、夏の電気代が一番高いです。冬よりも高いのですが、実は冬といいますのは、ガスで暖房したり灯油で暖房したりというものもあります。それを含めてみますと、実は冬の方がたくさん光熱費がかかっているのが実際なんです。これをCO2の排出量で換算してみますと、こういう事になります。夏のあいだにピークがあるのですが、冷房というのはこのピークの部分だけです。それから比べますと冬の方がはるかにたくさん大きな山が来ておりますので、正にこれからの時期、いかに取り組みをして行くのかが求められるということになります。(※図3)

3.お得で効果的な省エネ法
(1)暖房の工夫:エアコン・ガス・灯油、どの暖房が省エネ?
こうした形で暖房が大切だよということなんですが、ちょっと皆さんにクイズをしたいと思います。手を挙げていただきますが、よろしいでしょうか?
「暖房といいますと、部屋を暖房するのにいろんな機器があります。何を使ったならば省エネになるでしょうか?」というクイズです。実は機器の選び方によって5倍くらいのCO2排出が変わってきます。どれが、二酸化炭素が少ないでしょうか?

 1.電気を使う暖房
 2.ガスを使う暖房
 3.灯油を使う暖房
 4.エアコンでの暖房
1~4番の中から選んでいただけますでしょうか。ちょっと考えて下さい。部屋全体を暖める時に、どういう暖房が一番少ないのでしょうか。同じだけ部屋を暖めたとして、実はこの中で5倍くらい違ってくるのですよ。ちょっと手を挙げていただきますよ。よろしいですか? 1番、電気を使う暖房が一番少ないと思う方、手を挙げて下さい。これは何人かいらっしゃいます。有難うございます。2番、ガスを使う暖房が一番少ないと思う方? これは、結構多いですね。有難うございます。3番、灯油を使う暖房が一番少ないと思う方? これも、結構多いですね。有難うございます。3割くらい挙げました。4番、エアコンによる暖房が一番すくないと思う方? これも半分くらいですね。有難うございます。正解は4番です。エアコンの暖房が1番少ないのです。この中で1番大きいのは何かと言いますと、1番の電気を使った暖房です。これが1番たくさん二酸化炭素を出します。なんでかと言いますと、電気というのは、発電所で石油とか石炭を燃やしています。そこで100%電気になればいいのですが、発電所の効率はわずか4割です。6割はそこで熱として捨てられてしまっています。それを一生懸命に家まで持って来て使うとなると、非常に効率が悪いのです。ガスとか灯油のように直接燃やした方が効率は良くなるということで少なくなります。ところが、それよりもエアコンの方が少ないのです。どのくらい少ないかと言いますと、1番下が電気を熱にする暖房、それから灯油、ガス、1番少ないのがエアコンということになります。同じ電気なのになんでエアコンが1番少ないのかと言いますと、実はエアコンというのは熱を生みだしている装置ではないのです。ストーブとかと全然違います。何かというと、外の熱を中に送り込んでいる機能を果たしていますので、電気が持っているエネルギーの4、5倍の暖房を機能することが出来るわけです。これはイメージしてもらったら分かりますが、冷房の時って、室内の方に冷たい空気を入れますね。要するに熱を奪っているのです。室外機の方から、近所迷惑な熱い空気が出てるかと思います。要するに、中の熱を外に持って来ているのが冷房なわけです。暖房は何をやっているかといいますと、逆に外の熱を中に送り込んでるだけです。熱を生みだしてるわけではないので、電気が持ってる熱の4倍も5倍も効率的に暖房することが出来る。値段をちょっと見てみますと、最近は灯油の値段も上がって来ていますので、エアコンで暖房をするというのが、一番安く済むということになります。部屋全体を暖めるのであれば、他の暖房よりはエアコンで暖房するのが一番少ないです。ただ、エアコンは暖まらないという声が結構多いのですね。何故かと言いますと、暖かい空気は天井付近に集まって来ます。ですから、エアコンを付けていますと、特に空気を送る力が弱い場合、天井だけ暖めて、それで止まってしまう場合が多いのです。エアコンを付ける時には、強い風で下までちゃんと送って下さい。エアコンを弱運転しますと、実は省エネにはならないのです。強運転して風をしっかり送って初めて省エネになるのです。
これはガスとか灯油とかの他の暖房も同じでして、天井ばかり温まっています。天井だけが30℃くらいになる時があります。ですから、扇風機をしっかり回して、かき混ぜてあげたりですとか、あと団扇を用意していただいて、団扇でパタパタしていただきますと、それで結構暖まるというふうに言われています。体も温まるので一石二鳥です。ただ、ちょっと天井を掃除しておかないと、埃が舞ってしかたがないので、そこだけ注意していただけたらなと思います。特に最近のエアコンですと、床までしっかり送る機能が付いていますので、床までしっかり届くのであればエアコンだということで覚えていただけたらと思います。ただ乾燥してしまったり、快適性で言えば話は別ですので、好き嫌いということは多少あるかと思いますが、少なくとも部屋全体を寒くないようにするためにはエアコンが一番ということになります。
さらに省エネなのはこちらです。エアコンがいくらいいと思っても、これにはかないません。1つは、最近なぜエネルギー消費が増えているのかといいますと、家族がバラバラの生活をしている。お父さんはお父さんで、自分の部屋に帰って何か変な事をしている、子供は子供部屋に入って何かしてるという事になると、それぞれ暖房したりとか、照明をつけたりとかしなければなりません。家族みんなが1つの部屋で過ごすことが出来れば、それで省エネがすごく効いてくるわけです。環境家計簿の調査では、団らんが出来ている家庭では他の家庭に比べて4割くらいCO2が減っています。実は非常に面白いことでして、これって省エネをするというのは非常に我慢するというイメージがあるのですが、省エネをしながら家族の団らんが出来るというとってもいいことがありますので、そうした良かったことを少しづつ見つけながら、取り組んでいくということが今後続けていく重要な要素だと思います。
あともう1つはこたつです。実はこれも非常に省エネなんですよ。よくブレーカーが落ちる原因と言われがちなのですが、実はこたつは点いていない時間の方がすごく長いのです。家族がみんな突っ込んでいるとほとんど点いていないのです。それで暖まることが出来ますので、ストーブとかと比べますと、だいたい15分の1くらいのCO2排出量しかないのです。これは日本が世界に誇る非常に効果的な省エネ器具です。なぜかと言いますと、部屋全体を暖めるのではなくて、やぐらの中だけを暖めますので、本当に体だけを暖めるということが、実はとっても省エネになります。ただ、これを点けますと外に出られないという非常に大きな難点がありますが、それさえクリアしていただければ非常に省エネ型の器具ということになるかと思います。
あと、暖房の場合にはどうやって暖房しようかというのがとっても大切なところなんですが、そもそも熱が逃げないようにするという事の方が重要なんです。魔法瓶を思い浮かべていただければどうかと思うのですが、熱が逃げなければ、ずっと高い温度が維持されるんです。何でエアコンとか暖房しないといけないかと言いますと、熱が逃げてしまっているからです。どこから熱が逃げているのかといいますと、ちょっと下の方で見にくいかもしれませんが、ちょうど窓の部分が赤く光っているかと思いますが、窓が外から見ると暖かい。結局、窓から熱がたくさん逃げているのです。窓を出来たらリフォームして行くということがとっても大切なことなんですが、最近ホームセンターで断熱シートというものが売られています。自分で手間をかけてやりますと、ちょっと外が見えなくなってしまいますが、断熱効果が非常に上がります。断熱が出来た上に結露も付きにくくなるというメリットもありますので、こうしたちょっとした家の工夫をしながらやっていただければ、結構簡単に省エネが出来るということになります。

(2)あなたなら、どちらのエアコンを買いますか?
続いてこちら、省エネのために大切なのはこういうところです。皆さんでしたら、家のエアコンが壊れてしまった時、どちらのエアコンを買いますか? お店に行きますといろんな種類のエアコンが並んでいるかと思いますが、これは両方とも省エネエアコンと書いてあるのですよ。でも実は省エネ性能は全然違います。何を見ないといけないのかと言いますと、右上の方に年間の電気代と書かれているのが分かりますか、非常に小さな字ですが。
同じだけ冷暖房した時、どれだけ電気代がかかるのかということをメーカーが調査しておりまして、その結果がそちらに書いてあります。こちらが2万円で、こちらが3万円ですので、製品1の方が3分の1省エネということが言えるわけです。もし製品2を買われた方、たいてい値段が安いので2を買われる方が多いのですが、もし後から製品1を買った人と同じだけ省エネをしょうと考えたならば、電気の消費が多いですので、3日に1度使っては駄目な日を作ると、そういうことをすれば同じだけ省エネが出来ます。製品1を買った人はそれだけ大変な省エネが何もしなくても達成が出来るのです。こんな楽なことはないですよね。省エネというと我慢して我慢してというイメージがあるところが、実はいいものを選べば、楽をしてそんな大変な省エネが出来てしまうわけです。ただ問題は、売っている値段です。これは、負けてくれと言わざるを得ないところがいっぱいあるわけですが、もう1つ面白いところがありまして、順番に行きますよ。省エネの方は年間の電気代が安い製品の1番です。ところがお得なのはどうかと言いますと、販売価格を見ますとどうも2番のほうが安くて手を出しがちなのですが、エアコンって飾っておくものではありません。電気を使ってなんぼのもんというところがあります。エアコンはだいたい10年くらい使いますので、10年分の電気代ということで計算をしてみますと、両方足して見ます。そうしますと、なんと製品の1番の方がトータルの値段が安くなるということが、この場合出てきてしまうわけです。省エネ型の商品を値段が高いなと思って買ったところが、実はトータルの金額で考えてみますと安くなる場合がありますので、ぜひこの年間の電気代というものも含めて、省エネ型というのを選べないかというふうに思います。もちろん逆転する場合ばかりではありませんが、ただこの売っている値段ほど差が付くわけではわりませんので、ぜひちょっとそうしたものを売ってる値段ばかりを出すのではなくて、きちんとトータルでかかる値段という、消費者が本当に負担する値段を示すことによって、省エネ型のものが買いやすくなるということが出てくるかと思います。(※図4)

実際にお店に行った時には、どれが省エネなのかなと分かりにくいところがありますので、実はお店では良心的なところは、本当は義務付けしなければいけないのですが、こうした省エネのラベルが貼られております。星の数がたくさんのものを選べば、間違いなく省エネということになりますので、ぜひ買い替えの時にはそうしたものを選んで下さい。10年前に比べますと凄い省エネ、だいたい半分くらいの電気の消費で済むものが出てきております。ただ、今使っているものをすぐに買い替えたらいいかというと、そういうわけではありませんので、まだ使えるものであれば大切に使って行って下さい。ただ、だいたい10年後、寿命がきますと順次壊れていく場合があります。その時に、ぜひ一番省エネ型のものを選んでいただければ、10年でだいたい入れ替わって行きますので、10年15年住んでいるうちには、とっても省エネな生活に変わって行くということになるかと思います。
今すぐ取り組める項目ではないので急ぐことはないのですが、よく省エネと言いますと、家の中であれを消そうこれを消そうというイメージが多いのですが、大きなのはこの買い替えの時に一番いいものを選べるのかどうかということになってまいります。
それから、こういう講演をしますと、人間の心理から言って、だいたい夕方になると8割くらい忘れてしまうらしいです。でも、この省エネ型のものを選んだ方がいいよということだけは、ぜひ今後10年間忘れずにいいものを選び続けていただけたらと思います。そうしたら本当に半減の生活が出来てまいります。

(3)電球型蛍光灯
比較的簡単に出来るものは電球型蛍光灯です。もう付けてる方も結構多いかもしれませんが、電球と同じような形で、実は電気の消費量が4分の1から5分の1くらいになります。ただ問題は何かと言いますと、値段が高いということです。百円のものと千円のものがあったら、皆さんはどちらを選びますか?なかなか、この省エネ型の蛍光灯を選べないかもしれませんが、これも正に先ほどのエアコンと同じで、寿命も少し長いということもあるのですが、電気代がめちゃめちゃ変わってきます。電球が8千円なのに対して、2千円で済むということですので、トータルで見ますとこの千円の差とかというのは吹っ飛んでしまいます。電球型蛍光灯を選んでいただいた方が、だいたい半分から3分の1くらいの値段で生活することが出来ます。特にトイレなんかですと、電球型蛍光灯は昔からあったのですが、昔のタイプは点けた時に暗かったので、用をたし終わってから明るくなるという意味のない事が多かったのですが、最近のタイプはすぐ明るくなりますので、ぜひ付け替えていただけたらと思います。

(4)こまめな消灯:電気を点けたり消したりすると電気を消費する?
さあ、電気の話が来ましたので、もう1つクイズをしたいと思います。照明などを付けたり消したりすると電気をたくさん食いますということ、これを聞いたことありますかね? はい、これは本当のことなんです。点けた瞬間にたくさん電気が流れます。でもよくよく考えてみると、例えばちょっと部屋を離れる時に点いてると電気を食っちゃうわけですよね。消さないといけない。では、何分くらいで戻るのであれば点けっ放しにしてもいいのかということをクイズにしてみました。これも、3択で行きます。
 1.30分
 2.5分
 3.1分
この3つの中から選んでいただけますでしょうか。部屋から離れてすぐ戻ってくるよ。点ける時にたくさん消費しますので、何分くらいだったら点けっ放しのほうがいいのかということで、手を挙げて下さい。1番、30分くらいなら省エネだと思う方? 結構多いですね。では2番、5分くらいなら省エネだと思う方? これは多いですね。半分以上いらっしゃるかと思います。3番、1分でも省エネだと思う方? これも割といらっしゃいますね。皆さん、有難うございます。
はい、正解は3番です。実は、たくさん電気が流れるというのは本当のことなんですが、0.0何秒というほんの一瞬に過ぎないのです。ですから1分と言わずに、10秒でも20秒でも消えてる時間がある方が省エネになります。例えば、信号機が夜に点滅してるかと思います。あれは消えてる時間がある分だけ払ってる電気代が安く済んでるんです。ただ蛍光灯の場合には、点けたり消したりというのは寿命が短くなるという問題があるのですね。それを含めるとあんまり頻繁にやらない方がいいですよという話をする場合もありますが、1日に何十回も点けたり消したりすれば話は別なんですが、普通ちょっと使う場合には1分でも離れるという時は一旦切っておいた方が、ちょっと離れたつもりが長電話で30分話してたりという事も多々あるかと思いますので、離れる時には消すということを心掛けていただけたらと思います。よく30分という話が世の中で出回っているということがあるのですが、10分という話もよく聞きますが、どうも、点けっ放しを注意された人が言い訳のために言ったのが広がっていったというのがあるようで、実際の消費量からすると、1分でも消しておいた方が省エネです。電気と言いますと、あとはこちらですね。見たことありますでしょうか? テレビとかビデオとか、点けっ放しにするとたくさん電気を消費しますが、点けてない時でも電気は消費されています。これを待機電力と言います。だいたい世帯によってですが、3千円から1万円くらいこうした点けてないのに電力会社に払わされているお金があるというふうに言われています。夜とか、あとエアコンとか今の時期使わない場合には抜いておいたらいいのです。そうしますと、それで電気代を安くすることが出来るし、省エネも出来るという話になります。ちょっとした器具、工夫とかで削減が出来るということです。

(5)風呂の対策:シャワーで使うエネルギーはどのくらい?
さあ続いて、もう1つクイズをしたいと思います。3つ目最後のクイズになります。シャワーは皆さん使ってられますね? お湯を出します。ガスでも灯油でも電気でもだいたい同じなんですが、お湯を作るエネルギーというのはどのくらいなのかという、そうしたクイズです。テレビで何台分くらいかというのですが、だいたい20インチくらいの昔家にあったようなテレビで換算してみて下さい。あのテレビを何台点けているのと同じだけのエネルギーがシャワーのお湯を作る為に必要なんでしょうか? シャワーのお湯を作る為のエネルギーということで、テレビを点けるのも同じようにエネルギーが必要です。ではテレビ何台分のエネルギーが必要なんでしょうか?
 1.テレビ ? 3台
 2.テレビ  ?30台
 3.テレビ  300台
この中から選んでいただけますでしょうか?テレビ何台分のエネルギーがシャワーで使われているのでしょうか。同じエネルギーでテレビで換算すると何台、要するにシャワーを1分使っていると、テレビ何台を1分点けてるのと同じなのかということです。こんなクイズ聞いたことがないですよね。はい、手を挙げていただきますよ。1番、3台分くらいかな思う方手を挙げて下さい。何人かいらっしゃいます。有難うございます。2番、30台くらいかなと思う方手を挙げて下さい。これは多いですね。はい、有難うございます。3番、300台くらいかなと思う方手を挙げて下さい。はい、これも2割3割いらっしゃいますね。有難うございます。はい、正解は3番です。300台が正解です。300台もテレビ点けてるのと同じくらいのエネルギーがかかっているのですよ。ですから、シャワー浴びてて気持ちいいなんて言ってる場合ではないですよ。とんでもないエネルギーを使っているのが現状なんです。お湯を作るというのは、実はとっても大変なエネルギーです。よく考えてみれば、やかんでお湯を沸かすのでも、ほんの少しのお湯でも結構時間がかかりますよね。あれ以上のお湯を流し続けるのですから、実はとんでもないエネルギーなんです。ですから、逆に言いますと、少しでも止めることが出来れば、テレビ300台止めたのと同じだけの効果が出てくるのですから、こんな効果の大きなところを放っておくことはないわけです。例えば、冬ですと、一旦止めてしまうと冷たくなってだめだという場合があるかと思います。そうした場合には、予め湯船のお湯を少なめにしておいて、そこにちょっと継ぎ足して行ってやるとか、出来るだけ有効に使って行くということで、少しでも減らすことが出来るのではないかなと思います。別にシャワーだけが悪者ではありません。お風呂もそうですよね。あのシャワーの勢いで10分とか20分溜めてお風呂が溜まります。ですから、お風呂が溢れちゃったというのは、とんでもない罪悪ですよ。そんな事は許されないようなお話が現状になっています。逆に昨日よりも1㎝でもお湯を少なくして、誰にも気付かれないんだけれども、とっても大きな省エネが出来たという事も出来るかと思います。私たち日本人は湯水のように使うという事で、お湯も自由に使えるというイメージがあったのですが、お湯というものは本当に気をつけて使っていただけたらと思います。実際にいい機器がありまして、これはシャワーヘッドと言いますが、シャワーの頭の部分だけ取り換えることが出来ます。これだけでシャワーのお湯を3割減らせるんです。凄い機器です。千円くらいで売られているのですが、何かと言いますと、シャワーの穴が小さく出来ていまして勢いよく出てくるんです。だから、少しのお湯でも快適にシャワーを浴びることが出来る、逆に強く出し過ぎると痛くてしかたないので、自然と省エネが出来るというそうした器具です。こうしたものもちょっとした工夫をしながらやって行きますと、300台が200台になります。とっても削減になるということですので、ぜひ取り組んでいただけたらと思います。

(6)旬
ちょっと話は変わりまして、こんな図です。食べ物の話になりましたが、きゅうりです。1965年から95年まで毎月どれだけ購入されたのかという家計調査が行われております。(※図5)

きゅうりというのは、もともと夏の食べ物ですので、6月7月8月の夏の時期に食べられております。冬に食べる人は昔はいなかったのです。ところが、今どうなってるのかと言いますと、冬の方が少ないですけれど、スーパーに行けば必ずきゅうりが並んでいるという状態で、旬が無くなってきたというのが現状としてあります。なんで、これが出てきたのかと言いますと、実は物を作るためにも、植物を生産するためにもエネルギーが必要です。夏のきゅうりは栽培で普通に出来ますが、冬にこれを作ろうとするとハウスを作って、そこを暖房しないときゅうりが作れないです。ですから、同じきゅうりでも5倍くらいもエネルギーが違って来るというのがありますので、省エネのためにも夏のきゅうりを食べて下さい。なんか変な話ですよね。夏のきゅうりの方がそもそも値段が安いですし、おいしいです。そして、体にもいいです。きゅうりというのは体を冷やす役割をしますので、夏の暑い時に食べると、凄く意味があるのです。逆に冬に食べますと、寒い思いをしてしまうということになりますので、そういった季節に合った食べ物は、旬だ旬だと言われている以上に、自分たちの体の健康にとっても凄く意味があることですので、ぜひこの旬のものを選んで、食の安全と絡めて自分たちの手元でそういった物を作って行くということも、とっても大切な話になって来るかと思います。私たちは変なものなんですよね。夏に食べられる物が冬に食べられる方が豊かだと思って、冬にも生産して来た。ところが、豊かというと決してそういうわけじゃない。この気候に合った形で、そこに生産される時期で食べられるというものは、食べる生き物にも意味があるんだという、生物のつながりというものをもう1回考え直して行く必要があるかと思います。実際に、夏とか冬とか、暑いね寒いねとか季節の話になるかもしれませんが、それを快適に過ごす工夫はいろいろあったわけです。いきなり冷暖房を使って、年中同じ気温でやって行こうというものではなくて、着るものであるとか、先ほどありました食べるもの、冬は煮物であるとか、体を暖めるものがあります。住まいでも、年がら年中住んでいましたら、暑かったり寒かったりします。ちょっとした工夫で、すだれをしたりとか季節に合ったものをやっていくということが必要になるかと思います。そういう工夫をして行って、とっても大切なのが、自分がどれだけ使ったのかをしっかりと把握しましょうということです。これはダイエットでも同じことです。ちゃんと体重を計っていないとダイエット出来ません。一番大切なのは体重をきちんと計ることです。今どれだけ使っているのか、そして前年度月の数字がありますので、去年に比べてちゃんと減らしたのかどうかということも、健診票を見ればすぐに分かります。何をしたから減ったのか、どうしたから増えたのかという理由が分かってきますと、そこで削減のポイントが見えてくるということになるかと思います。これは、そちらの展示の方にも作っておりますが、省エネ診断、どんなことをしたら家庭で削減が出来る取り組みがあるのかということを診断するソフトがありますので、環境家計簿とかと一緒にぜひ活用していただいたらと思います。ホームベージから誰でも自由に使えるようにもなっております。
さあ、こういう活動をしていますと1つやっぱり、どうしても課題になるところがあるかと思います。「自分1人が取り組んだって、世の中全然変わんないよ」というようなイメージがどうしても付きがちなところなんですが、実は非常に面白いことがあります。
最後にちょっとこの話だけしたいと思います。3人グループでの取り組みを考えて下さい。皆さん1人と、あと2人いるようなグループで、本当に省エネが始まるのかどうかという話です。変な人たちです。実はAさん、周りで半分の人が取り組んだら取り組みますよという、非常に内向きな人ですね。日本人の典型的なパターンです。自分から手を挙げてやりますよというところにいないのですが、周りで半分の人がやったら自分もやろうかという人です。それから、もう1人Bさん。周りで全員がやったら私もやりますよ、誰かやってない人がいたら私もやるの止めとこうという後ろ向きな人です。それと、あなたの3人グループです。省エネの話、食の安全の話、なんでも構いませんが、本当にこれで、この3人グループの取組みが始まるんだろうかと言いますと、どうもなかなか取り組みが始まりそうもないような雰囲気ですね。あなたが「やっぱり大切だよ」と思いながらも、「なかなか私も出来てないですよ。よく言われているけれども難しいね」などという話になりますと、まずBさんが出てきて「誰か取り組んでいない人がいたら、私やりませんよ。」という話で、周りを見回しますと「ほら、やってない人がいたじゃない」という事で、安心して「私やりません」ということになります。Aさん「周りで半分の人がやったら、やるんだけどなあ」と周りを見回して見てもだれもやっていませんので結局やりません。さあここで、もしあなたが「省エネは大切だし、自分たちもやって行かないといけないよ」ということで、やるということになったらどうなるかと言いますと、今度Aさんが反応します。「周りで半分の人がいたら始めます」Bさんがどうなってるか分かりませんが、2人の内の1人、半分の人が取り組んでいるわけですので「自分からはやらないけれど、半分の人がやっているのでやります」今度Bさんは「周りでやってない人がいたらやらないんだけど・・」Aさんもあなたもやってるから、しかたないなとということで始めます。みんなやり始めたんです。分りますか? 実はAさんもBさんも態度を変えていません。態度を変えてないのに、何で変わったのかと言いますと、あなたがやったかやらないかで、この3人グループの行動を変えてしまったのです。特殊な例のように思いますが、実はこうしたAさんBさん、特にAさんみたいな人というのは日本人に物凄くよくあるところです。考えてみたら分かると思いますが、自分からやろうというのは確かに難しいかもしれませんが「あっそう言えば、あの人やってるって言ってたなあ」「この人も、やってるって言ってたな」ということがあると、ちょっと取り組み易くなるかと思います。皆さんがやっている、一つ一つの行動というものは、実は自分だけの成果というだけでなくって、周りの人が見ています。自分が行動したということ、それが良かったよという話が自然と出来るようになれば、自然とAさんBさんという行動も変わって行くかと思います。やっているんだけれども、秘かにやっているのではだめです。やってますよ、そういうことが良かったですよという事を自然と話せるような社会になって行きますと、食の問題でも省エネの問題でも1歩進んで行くのではないかと思います。ぜひ、自分のところから取り組んでいただけたらと思います。
はい、これで私のお話は終わらせていただきたいと思います。どうも、有難うございました。
[講 師]㈲ひのでやエコライフ研究所 代表取締役 
鈴木 靖文 氏

基調講演「地球温暖化防止をめざす快適省エネ生活」

1.地球温暖化の現状と最新動向
皆さん、おはようございます。ただ今紹介していただきました、ひのでやエコライフ研究所の鈴木と申します。
地球温暖化の問題も時代が大きく変わって来ましたね。暴走族も地球温暖化の話をする、そんな時代になって来たかと思います。私はこの「ひのでやエコライフ研究所」という京都でやっている研究所なんですが、家庭で省エネのことをいろいろと調査しまして約10年くらいになります。おおさかパルコープさんとかえひめ市民生協さんとかも大変お世話になっておりますけれども、何を調査しているかといいますと、家庭でどんなことをしたら省エネが出来るのかとか、ゴミ減らしが出来るのかといった、そんなことを調査しています。
省エネとかといいますと、今は取り組みましょうという話をよくされますが、まず頭に浮かぶのが何かといいますと、どうしても「テレビを1時間我慢しましょう」とか「冷暖房を控えめにしましょう」とか、何か自分の生活の身を削って取り組まないといけないというようなイメージが、まだまだたくさんあるかと思いますが、いろいろ調べて見ますと実はとってもいい省エネ機器も出ておりますし、簡単に、それで快適に光熱費も削減出来るという取り組みがたくさんありますので、そんな話を今日は紹介していけたらなと思います。
まず、ちょっと地球温暖化の問題。今日みたいに涼しくなってしまうと温暖化の話もあんまりしにくくなるところがあるのですが、実は世界中各地でこうした温暖化の影響が起こっています。なかなか暑い時にはこれが温暖化の影響かな? と思いますが、冬も最近は10年位暖かい冬が続いていますので、こうした長期間にわたる影響もほぼ間違いなく地球温暖化の影響だろうと言われるかと思います。日本に住んでいますと、あちこちと兆候が見られるという程度かもしれませんが、それが蓄積して行きますと、大変なことが今世界中で起こっているということを、皆さんもいろんな映像とかでご覧になっているかと思います。山に降った氷、雪ですね。これがどんどん融けてしまって、すっかり湖になってしまっているようなところ、こちらはアラスカ写真ですが、シベリアでもヨーロッパでもアフリカでも、世界各地でこうしたことが起こっているということがございます。(※図1)

実際にどれだけ気温が上がっているのかと言いますと、だいたい0.7℃くらいすでにもう上がっているということが確認されています。よく最近、地球温暖化というのは本当に起こっていないのではないかとか、起こってもたいした影響はないのではないかといった本がたくさん出てるかと思いますが、確かに本屋に行きますと同じくらい本の数が並んでいるかと思いますが、科学的にいろいろと調査をして行きますと、確かに調査研究ですので一部ちょっと違うかもしれないという可能性があるものが出てくるかもしれませんが、いろんな各社が研究しています。こちらは、去年ノーベル平和賞を取りましたIPCCという世界的科学者たちの集まり、数百人、数千人規模の集まってくる報告書を取りまとめたものなのですが、これはもうほぼ間違いなく地球温暖化の原因は私たちが出している二酸化炭素。そして将来もまた地球温暖化が起こって行くだろうということが確認されております。将来、今から100年後ですが、最大で6.4℃気温が上昇するだろうと言われておりますが、100年後どうなるかということはなかなかよく分かりませんが、少なくとも、この2℃以上気温が上がってしまいますと、生物が死滅してしまったりであるとか、もう地球がもとに戻らない可能性があるということが指摘されております。そこで2℃以内に抑えようということで、今いろんなところで議論がされているところです。政権が変わってしまいましたが、福田さんが福田ビジョンで2050年までに半減させようという話がありましたが、あれも何を根拠にしているのかと言いますと、この2℃以内に温度上昇を抑えるためには世界全体を2050年までに半減させないといけないという非常に厳しい対策が今求められているところです。京都議定書ですと6%とかいう話をよくされていましたが、桁違いですね。数十%の単位で減らして行くという、そういった社会を私たちはこれから作っていかないといけないという、そうした時代に来ているわけです。
それで温暖化、これはちょっと残酷なイラストなんですが、子供たちの実験でもこういう事が出来ます。カエルさんなんですが、ボールの中に入れまして徐々に温めて行きます。そうしますと、カエルというのは変温動物でして、気温が寒い時は冬眠しますが、暖かくなって来ると段々活動が活発になってきます。ちょっと暖かくして行きますと頭にタオルを乗せて鼻歌を歌ったりということで、徐々に徐々に暖めて行きますと、そのまま逃げ出すのではなく茹でガエルになってしまうという、こういった実験が出来るのです。逃げたらいいものを徐々に暖かくなって行くというものは、実は感じ取ることが出来ないのです。こんな鈍感なカエルであっても、熱いお湯の中にいきなり入れますと、熱いと飛び出して行きます。カエルって変な生き物だねと笑っている間はいいのですが、これは、私たちのことではないでしょうか? 今ちょっと冬が暖かくなって気持ちいいねとか、そんなような事を言っていると、いつの間にかすると本当に6.4℃、私たち人間すら生きていいけないような世界になりかねないというようなのが今言われているところです。
カエルと違うのは何かといいますと、この火を使っているのは正に私たちです。将来こういうことが起こるよということも、ほぼ確実だろうということも言われています。ここ数年の間にきちんと火を止めていくことが出来るのかどうかと言う事が、正に求められているという大切な時に来ているということです。

2.家庭のエネルギー消費の実態
こうした事を前提に家庭での省エネを進めて行こうということなんですが、あれもこれも、いろんな取り組みが世の中で言われています。全部やると実はとっても大変なんですよ。そこで、必要になって来るのは何かと言いますと、きちんと情報を集めて整理をしていきますと、実は意外なところで効果的な取り組みというものも出てきます。
こちらのグラフは1975年から今まで、家庭のCO2排出がどのように変わって来たのかということなんですが、右肩上がりで上がって来ているのが分かるかと思います。昔の半減の生活に戻そうと思ったら1970年頃の生活に戻さないといけないのかと言われますと結構大変ですよね。そんな生活になかなか戻らないかと思いますが、実は今とってもいい機器があります。以前に比べると電気の消費量が半分で済むような冷蔵庫・テレビとかエアコンとかがありますので、適切なものを選んで行くと、きちんとそれが半減して行くことが出来るということになります。ただ問題は何かと言いますと、このような右肩上がりでどんどん成長して行く。車が1人1台から、例えばみんな1人づつヘリコプターを持つという生活になって来るとエネルギー消費にもきりがないのですが、幸いなことと言うか、今、実はずっと頭打ちになりつつあるところがあります。今はみなさん、それなりに豊かな生活をしているかと思います。これ以上贅沢な生活をしないということが約束出来れば、いいものをどんどん選んで改善策をしていくことによって、どんどん減って行く可能性があるという話をして行きたいなと思います。
家庭で減らして行く為に一番大切なのは何かと言いますと、どこからたくさん出ているのか。こちらが皆さんのレジメの方にも1行ほどで書いてありますが、どこからたくさんCO2が出てきているのかなということなんですが、先ほどの図にもありましたが、自家用車からが多いですね。それから下の方に、動力他とありますが、これは家電製品です。ですから家電製品をちょっと取り組むという事も、非常に効果が大きいということはあります。まあ、使わないようにして行こうということが大切なところです。
それと、注目していただきたいのはこちら右上の方です。暖房が12%くらい、給湯が14%という数字が出ているかと思います。それに対して冷房がわずか1.9%なんです。(※図2)

よく「省エネしましょう」という時期って言いますと夏の時期をイメージされると思いますが、実は冷房というのは家庭ではほとんど使われていないのです。だからと言って、取り組まなくていいということは全くないですよ。冷房の時に取り組んだのと同じだけ、もし暖房のこれからの時期取り組むと、6倍も効果的にCO2を削減出来るということなんです。なかなか冬の時期に省エネと言われないですが、実はこれからが省エネのとっても重要な時期になって来ます。それと、もう1つは給湯ですけれども、これも7倍8倍と非常に大きな割合を占めてます。お風呂もなかなか省エネしましょうと言われて来なかったところなんです。でも意外とたくさん使っているところがありますので、ぜひこうしたところでちょっと工夫をしていただくと、もう今まで細かいところに取り組んできた以上の削減が出来るということにつながってまいります。
後ここのちょっと上のですが、一般廃棄物、ゴミというものがあります。実はゴミも燃やすとCO2が出てきますので、ゴミを減らしましょうということ、これはよくゴミ問題として別の問題として扱われてきたところがあるのですが、温暖化の問題もゴミの問題もつながっておりますので、一緒に是非取り組んでいただけたらと思います。
それから、もう1つこちらの水道の方です。水をたくさん使うと水をきれいにするために、それから高台のところまで運び上げるためにたくさんエネルギーがかかりますので、水を大切に使うという水問題も実はこの温暖化問題と大きく関わってきます。ゴミの問題・水の問題・温暖化の問題とぜひセットで考えていただいて、いい環境というものを作っていただけたらと思います。冷房は少ないのですが、夕方になってから使われる家庭が多いのですね。夏場は昼間といいますと我慢されている方が多いので、夕方になりますと気温が下がってきますので、そんなに冷房というものは使われておりません。ただ、冷房が大切なのは何かと言いますと、むしろこうしたオフィスで、みんなが集まれるところとかスーパーとか電車とか駅とか、そうしたところですと、実は夏でも昼間たくさん冷房を使っていますので、むしろ冷房の取り組みというのは家で頑張るというよりは「ちょっとここ寒過ぎないですか?」みたいな話を一言いっていくと、大きな削減につながって来るということになります。ぜひ、ポイントをついた取り組みを考えていただけたらと思います。
続きましてこちらなんですが、先ほど冷房の方が少ないよと、この暑い大阪で本当なのということなんですが、確かに大阪の毎月の支出額ですが、夏の電気代が一番高いです。冬よりも高いのですが、実は冬といいますのは、ガスで暖房したり灯油で暖房したりというものもあります。それを含めてみますと、実は冬の方がたくさん光熱費がかかっているのが実際なんです。これをCO2の排出量で換算してみますと、こういう事になります。夏のあいだにピークがあるのですが、冷房というのはこのピークの部分だけです。それから比べますと冬の方がはるかにたくさん大きな山が来ておりますので、正にこれからの時期、いかに取り組みをして行くのかが求められるということになります。(※図3)

3.お得で効果的な省エネ法
(1)暖房の工夫:エアコン・ガス・灯油、どの暖房が省エネ?
こうした形で暖房が大切だよということなんですが、ちょっと皆さんにクイズをしたいと思います。手を挙げていただきますが、よろしいでしょうか?
「暖房といいますと、部屋を暖房するのにいろんな機器があります。何を使ったならば省エネになるでしょうか?」というクイズです。実は機器の選び方によって5倍くらいのCO2排出が変わってきます。どれが、二酸化炭素が少ないでしょうか?

 1.電気を使う暖房
 2.ガスを使う暖房
 3.灯油を使う暖房
 4.エアコンでの暖房
1~4番の中から選んでいただけますでしょうか。ちょっと考えて下さい。部屋全体を暖める時に、どういう暖房が一番少ないのでしょうか。同じだけ部屋を暖めたとして、実はこの中で5倍くらい違ってくるのですよ。ちょっと手を挙げていただきますよ。よろしいですか? 1番、電気を使う暖房が一番少ないと思う方、手を挙げて下さい。これは何人かいらっしゃいます。有難うございます。2番、ガスを使う暖房が一番少ないと思う方? これは、結構多いですね。有難うございます。3番、灯油を使う暖房が一番少ないと思う方? これも、結構多いですね。有難うございます。3割くらい挙げました。4番、エアコンによる暖房が一番すくないと思う方? これも半分くらいですね。有難うございます。正解は4番です。エアコンの暖房が1番少ないのです。この中で1番大きいのは何かと言いますと、1番の電気を使った暖房です。これが1番たくさん二酸化炭素を出します。なんでかと言いますと、電気というのは、発電所で石油とか石炭を燃やしています。そこで100%電気になればいいのですが、発電所の効率はわずか4割です。6割はそこで熱として捨てられてしまっています。それを一生懸命に家まで持って来て使うとなると、非常に効率が悪いのです。ガスとか灯油のように直接燃やした方が効率は良くなるということで少なくなります。ところが、それよりもエアコンの方が少ないのです。どのくらい少ないかと言いますと、1番下が電気を熱にする暖房、それから灯油、ガス、1番少ないのがエアコンということになります。同じ電気なのになんでエアコンが1番少ないのかと言いますと、実はエアコンというのは熱を生みだしている装置ではないのです。ストーブとかと全然違います。何かというと、外の熱を中に送り込んでいる機能を果たしていますので、電気が持っているエネルギーの4、5倍の暖房を機能することが出来るわけです。これはイメージしてもらったら分かりますが、冷房の時って、室内の方に冷たい空気を入れますね。要するに熱を奪っているのです。室外機の方から、近所迷惑な熱い空気が出てるかと思います。要するに、中の熱を外に持って来ているのが冷房なわけです。暖房は何をやっているかといいますと、逆に外の熱を中に送り込んでるだけです。熱を生みだしてるわけではないので、電気が持ってる熱の4倍も5倍も効率的に暖房することが出来る。値段をちょっと見てみますと、最近は灯油の値段も上がって来ていますので、エアコンで暖房をするというのが、一番安く済むということになります。部屋全体を暖めるのであれば、他の暖房よりはエアコンで暖房するのが一番少ないです。ただ、エアコンは暖まらないという声が結構多いのですね。何故かと言いますと、暖かい空気は天井付近に集まって来ます。ですから、エアコンを付けていますと、特に空気を送る力が弱い場合、天井だけ暖めて、それで止まってしまう場合が多いのです。エアコンを付ける時には、強い風で下までちゃんと送って下さい。エアコンを弱運転しますと、実は省エネにはならないのです。強運転して風をしっかり送って初めて省エネになるのです。
これはガスとか灯油とかの他の暖房も同じでして、天井ばかり温まっています。天井だけが30℃くらいになる時があります。ですから、扇風機をしっかり回して、かき混ぜてあげたりですとか、あと団扇を用意していただいて、団扇でパタパタしていただきますと、それで結構暖まるというふうに言われています。体も温まるので一石二鳥です。ただ、ちょっと天井を掃除しておかないと、埃が舞ってしかたがないので、そこだけ注意していただけたらなと思います。特に最近のエアコンですと、床までしっかり送る機能が付いていますので、床までしっかり届くのであればエアコンだということで覚えていただけたらと思います。ただ乾燥してしまったり、快適性で言えば話は別ですので、好き嫌いということは多少あるかと思いますが、少なくとも部屋全体を寒くないようにするためにはエアコンが一番ということになります。
さらに省エネなのはこちらです。エアコンがいくらいいと思っても、これにはかないません。1つは、最近なぜエネルギー消費が増えているのかといいますと、家族がバラバラの生活をしている。お父さんはお父さんで、自分の部屋に帰って何か変な事をしている、子供は子供部屋に入って何かしてるという事になると、それぞれ暖房したりとか、照明をつけたりとかしなければなりません。家族みんなが1つの部屋で過ごすことが出来れば、それで省エネがすごく効いてくるわけです。環境家計簿の調査では、団らんが出来ている家庭では他の家庭に比べて4割くらいCO2が減っています。実は非常に面白いことでして、これって省エネをするというのは非常に我慢するというイメージがあるのですが、省エネをしながら家族の団らんが出来るというとってもいいことがありますので、そうした良かったことを少しづつ見つけながら、取り組んでいくということが今後続けていく重要な要素だと思います。
あともう1つはこたつです。実はこれも非常に省エネなんですよ。よくブレーカーが落ちる原因と言われがちなのですが、実はこたつは点いていない時間の方がすごく長いのです。家族がみんな突っ込んでいるとほとんど点いていないのです。それで暖まることが出来ますので、ストーブとかと比べますと、だいたい15分の1くらいのCO2排出量しかないのです。これは日本が世界に誇る非常に効果的な省エネ器具です。なぜかと言いますと、部屋全体を暖めるのではなくて、やぐらの中だけを暖めますので、本当に体だけを暖めるということが、実はとっても省エネになります。ただ、これを点けますと外に出られないという非常に大きな難点がありますが、それさえクリアしていただければ非常に省エネ型の器具ということになるかと思います。
あと、暖房の場合にはどうやって暖房しようかというのがとっても大切なところなんですが、そもそも熱が逃げないようにするという事の方が重要なんです。魔法瓶を思い浮かべていただければどうかと思うのですが、熱が逃げなければ、ずっと高い温度が維持されるんです。何でエアコンとか暖房しないといけないかと言いますと、熱が逃げてしまっているからです。どこから熱が逃げているのかといいますと、ちょっと下の方で見にくいかもしれませんが、ちょうど窓の部分が赤く光っているかと思いますが、窓が外から見ると暖かい。結局、窓から熱がたくさん逃げているのです。窓を出来たらリフォームして行くということがとっても大切なことなんですが、最近ホームセンターで断熱シートというものが売られています。自分で手間をかけてやりますと、ちょっと外が見えなくなってしまいますが、断熱効果が非常に上がります。断熱が出来た上に結露も付きにくくなるというメリットもありますので、こうしたちょっとした家の工夫をしながらやっていただければ、結構簡単に省エネが出来るということになります。

(2)あなたなら、どちらのエアコンを買いますか?
続いてこちら、省エネのために大切なのはこういうところです。皆さんでしたら、家のエアコンが壊れてしまった時、どちらのエアコンを買いますか? お店に行きますといろんな種類のエアコンが並んでいるかと思いますが、これは両方とも省エネエアコンと書いてあるのですよ。でも実は省エネ性能は全然違います。何を見ないといけないのかと言いますと、右上の方に年間の電気代と書かれているのが分かりますか、非常に小さな字ですが。
同じだけ冷暖房した時、どれだけ電気代がかかるのかということをメーカーが調査しておりまして、その結果がそちらに書いてあります。こちらが2万円で、こちらが3万円ですので、製品1の方が3分の1省エネということが言えるわけです。もし製品2を買われた方、たいてい値段が安いので2を買われる方が多いのですが、もし後から製品1を買った人と同じだけ省エネをしょうと考えたならば、電気の消費が多いですので、3日に1度使っては駄目な日を作ると、そういうことをすれば同じだけ省エネが出来ます。製品1を買った人はそれだけ大変な省エネが何もしなくても達成が出来るのです。こんな楽なことはないですよね。省エネというと我慢して我慢してというイメージがあるところが、実はいいものを選べば、楽をしてそんな大変な省エネが出来てしまうわけです。ただ問題は、売っている値段です。これは、負けてくれと言わざるを得ないところがいっぱいあるわけですが、もう1つ面白いところがありまして、順番に行きますよ。省エネの方は年間の電気代が安い製品の1番です。ところがお得なのはどうかと言いますと、販売価格を見ますとどうも2番のほうが安くて手を出しがちなのですが、エアコンって飾っておくものではありません。電気を使ってなんぼのもんというところがあります。エアコンはだいたい10年くらい使いますので、10年分の電気代ということで計算をしてみますと、両方足して見ます。そうしますと、なんと製品の1番の方がトータルの値段が安くなるということが、この場合出てきてしまうわけです。省エネ型の商品を値段が高いなと思って買ったところが、実はトータルの金額で考えてみますと安くなる場合がありますので、ぜひこの年間の電気代というものも含めて、省エネ型というのを選べないかというふうに思います。もちろん逆転する場合ばかりではありませんが、ただこの売っている値段ほど差が付くわけではわりませんので、ぜひちょっとそうしたものを売ってる値段ばかりを出すのではなくて、きちんとトータルでかかる値段という、消費者が本当に負担する値段を示すことによって、省エネ型のものが買いやすくなるということが出てくるかと思います。(※図4)

実際にお店に行った時には、どれが省エネなのかなと分かりにくいところがありますので、実はお店では良心的なところは、本当は義務付けしなければいけないのですが、こうした省エネのラベルが貼られております。星の数がたくさんのものを選べば、間違いなく省エネということになりますので、ぜひ買い替えの時にはそうしたものを選んで下さい。10年前に比べますと凄い省エネ、だいたい半分くらいの電気の消費で済むものが出てきております。ただ、今使っているものをすぐに買い替えたらいいかというと、そういうわけではありませんので、まだ使えるものであれば大切に使って行って下さい。ただ、だいたい10年後、寿命がきますと順次壊れていく場合があります。その時に、ぜひ一番省エネ型のものを選んでいただければ、10年でだいたい入れ替わって行きますので、10年15年住んでいるうちには、とっても省エネな生活に変わって行くということになるかと思います。
今すぐ取り組める項目ではないので急ぐことはないのですが、よく省エネと言いますと、家の中であれを消そうこれを消そうというイメージが多いのですが、大きなのはこの買い替えの時に一番いいものを選べるのかどうかということになってまいります。
それから、こういう講演をしますと、人間の心理から言って、だいたい夕方になると8割くらい忘れてしまうらしいです。でも、この省エネ型のものを選んだ方がいいよということだけは、ぜひ今後10年間忘れずにいいものを選び続けていただけたらと思います。そうしたら本当に半減の生活が出来てまいります。

(3)電球型蛍光灯
比較的簡単に出来るものは電球型蛍光灯です。もう付けてる方も結構多いかもしれませんが、電球と同じような形で、実は電気の消費量が4分の1から5分の1くらいになります。ただ問題は何かと言いますと、値段が高いということです。百円のものと千円のものがあったら、皆さんはどちらを選びますか?なかなか、この省エネ型の蛍光灯を選べないかもしれませんが、これも正に先ほどのエアコンと同じで、寿命も少し長いということもあるのですが、電気代がめちゃめちゃ変わってきます。電球が8千円なのに対して、2千円で済むということですので、トータルで見ますとこの千円の差とかというのは吹っ飛んでしまいます。電球型蛍光灯を選んでいただいた方が、だいたい半分から3分の1くらいの値段で生活することが出来ます。特にトイレなんかですと、電球型蛍光灯は昔からあったのですが、昔のタイプは点けた時に暗かったので、用をたし終わってから明るくなるという意味のない事が多かったのですが、最近のタイプはすぐ明るくなりますので、ぜひ付け替えていただけたらと思います。

(4)こまめな消灯:電気を点けたり消したりすると電気を消費する?
さあ、電気の話が来ましたので、もう1つクイズをしたいと思います。照明などを付けたり消したりすると電気をたくさん食いますということ、これを聞いたことありますかね? はい、これは本当のことなんです。点けた瞬間にたくさん電気が流れます。でもよくよく考えてみると、例えばちょっと部屋を離れる時に点いてると電気を食っちゃうわけですよね。消さないといけない。では、何分くらいで戻るのであれば点けっ放しにしてもいいのかということをクイズにしてみました。これも、3択で行きます。
 1.30分
 2.5分
 3.1分
この3つの中から選んでいただけますでしょうか。部屋から離れてすぐ戻ってくるよ。点ける時にたくさん消費しますので、何分くらいだったら点けっ放しのほうがいいのかということで、手を挙げて下さい。1番、30分くらいなら省エネだと思う方? 結構多いですね。では2番、5分くらいなら省エネだと思う方? これは多いですね。半分以上いらっしゃるかと思います。3番、1分でも省エネだと思う方? これも割といらっしゃいますね。皆さん、有難うございます。
はい、正解は3番です。実は、たくさん電気が流れるというのは本当のことなんですが、0.0何秒というほんの一瞬に過ぎないのです。ですから1分と言わずに、10秒でも20秒でも消えてる時間がある方が省エネになります。例えば、信号機が夜に点滅してるかと思います。あれは消えてる時間がある分だけ払ってる電気代が安く済んでるんです。ただ蛍光灯の場合には、点けたり消したりというのは寿命が短くなるという問題があるのですね。それを含めるとあんまり頻繁にやらない方がいいですよという話をする場合もありますが、1日に何十回も点けたり消したりすれば話は別なんですが、普通ちょっと使う場合には1分でも離れるという時は一旦切っておいた方が、ちょっと離れたつもりが長電話で30分話してたりという事も多々あるかと思いますので、離れる時には消すということを心掛けていただけたらと思います。よく30分という話が世の中で出回っているということがあるのですが、10分という話もよく聞きますが、どうも、点けっ放しを注意された人が言い訳のために言ったのが広がっていったというのがあるようで、実際の消費量からすると、1分でも消しておいた方が省エネです。電気と言いますと、あとはこちらですね。見たことありますでしょうか? テレビとかビデオとか、点けっ放しにするとたくさん電気を消費しますが、点けてない時でも電気は消費されています。これを待機電力と言います。だいたい世帯によってですが、3千円から1万円くらいこうした点けてないのに電力会社に払わされているお金があるというふうに言われています。夜とか、あとエアコンとか今の時期使わない場合には抜いておいたらいいのです。そうしますと、それで電気代を安くすることが出来るし、省エネも出来るという話になります。ちょっとした器具、工夫とかで削減が出来るということです。

(5)風呂の対策:シャワーで使うエネルギーはどのくらい?
さあ続いて、もう1つクイズをしたいと思います。3つ目最後のクイズになります。シャワーは皆さん使ってられますね? お湯を出します。ガスでも灯油でも電気でもだいたい同じなんですが、お湯を作るエネルギーというのはどのくらいなのかという、そうしたクイズです。テレビで何台分くらいかというのですが、だいたい20インチくらいの昔家にあったようなテレビで換算してみて下さい。あのテレビを何台点けているのと同じだけのエネルギーがシャワーのお湯を作る為に必要なんでしょうか? シャワーのお湯を作る為のエネルギーということで、テレビを点けるのも同じようにエネルギーが必要です。ではテレビ何台分のエネルギーが必要なんでしょうか?
 1.テレビ ? 3台
 2.テレビ  ?30台
 3.テレビ  300台
この中から選んでいただけますでしょうか?テレビ何台分のエネルギーがシャワーで使われているのでしょうか。同じエネルギーでテレビで換算すると何台、要するにシャワーを1分使っていると、テレビ何台を1分点けてるのと同じなのかということです。こんなクイズ聞いたことがないですよね。はい、手を挙げていただきますよ。1番、3台分くらいかな思う方手を挙げて下さい。何人かいらっしゃいます。有難うございます。2番、30台くらいかなと思う方手を挙げて下さい。これは多いですね。はい、有難うございます。3番、300台くらいかなと思う方手を挙げて下さい。はい、これも2割3割いらっしゃいますね。有難うございます。はい、正解は3番です。300台が正解です。300台もテレビ点けてるのと同じくらいのエネルギーがかかっているのですよ。ですから、シャワー浴びてて気持ちいいなんて言ってる場合ではないですよ。とんでもないエネルギーを使っているのが現状なんです。お湯を作るというのは、実はとっても大変なエネルギーです。よく考えてみれば、やかんでお湯を沸かすのでも、ほんの少しのお湯でも結構時間がかかりますよね。あれ以上のお湯を流し続けるのですから、実はとんでもないエネルギーなんです。ですから、逆に言いますと、少しでも止めることが出来れば、テレビ300台止めたのと同じだけの効果が出てくるのですから、こんな効果の大きなところを放っておくことはないわけです。例えば、冬ですと、一旦止めてしまうと冷たくなってだめだという場合があるかと思います。そうした場合には、予め湯船のお湯を少なめにしておいて、そこにちょっと継ぎ足して行ってやるとか、出来るだけ有効に使って行くということで、少しでも減らすことが出来るのではないかなと思います。別にシャワーだけが悪者ではありません。お風呂もそうですよね。あのシャワーの勢いで10分とか20分溜めてお風呂が溜まります。ですから、お風呂が溢れちゃったというのは、とんでもない罪悪ですよ。そんな事は許されないようなお話が現状になっています。逆に昨日よりも1㎝でもお湯を少なくして、誰にも気付かれないんだけれども、とっても大きな省エネが出来たという事も出来るかと思います。私たち日本人は湯水のように使うという事で、お湯も自由に使えるというイメージがあったのですが、お湯というものは本当に気をつけて使っていただけたらと思います。実際にいい機器がありまして、これはシャワーヘッドと言いますが、シャワーの頭の部分だけ取り換えることが出来ます。これだけでシャワーのお湯を3割減らせるんです。凄い機器です。千円くらいで売られているのですが、何かと言いますと、シャワーの穴が小さく出来ていまして勢いよく出てくるんです。だから、少しのお湯でも快適にシャワーを浴びることが出来る、逆に強く出し過ぎると痛くてしかたないので、自然と省エネが出来るというそうした器具です。こうしたものもちょっとした工夫をしながらやって行きますと、300台が200台になります。とっても削減になるということですので、ぜひ取り組んでいただけたらと思います。

(6)旬
ちょっと話は変わりまして、こんな図です。食べ物の話になりましたが、きゅうりです。1965年から95年まで毎月どれだけ購入されたのかという家計調査が行われております。(※図5)

きゅうりというのは、もともと夏の食べ物ですので、6月7月8月の夏の時期に食べられております。冬に食べる人は昔はいなかったのです。ところが、今どうなってるのかと言いますと、冬の方が少ないですけれど、スーパーに行けば必ずきゅうりが並んでいるという状態で、旬が無くなってきたというのが現状としてあります。なんで、これが出てきたのかと言いますと、実は物を作るためにも、植物を生産するためにもエネルギーが必要です。夏のきゅうりは栽培で普通に出来ますが、冬にこれを作ろうとするとハウスを作って、そこを暖房しないときゅうりが作れないです。ですから、同じきゅうりでも5倍くらいもエネルギーが違って来るというのがありますので、省エネのためにも夏のきゅうりを食べて下さい。なんか変な話ですよね。夏のきゅうりの方がそもそも値段が安いですし、おいしいです。そして、体にもいいです。きゅうりというのは体を冷やす役割をしますので、夏の暑い時に食べると、凄く意味があるのです。逆に冬に食べますと、寒い思いをしてしまうということになりますので、そういった季節に合った食べ物は、旬だ旬だと言われている以上に、自分たちの体の健康にとっても凄く意味があることですので、ぜひこの旬のものを選んで、食の安全と絡めて自分たちの手元でそういった物を作って行くということも、とっても大切な話になって来るかと思います。私たちは変なものなんですよね。夏に食べられる物が冬に食べられる方が豊かだと思って、冬にも生産して来た。ところが、豊かというと決してそういうわけじゃない。この気候に合った形で、そこに生産される時期で食べられるというものは、食べる生き物にも意味があるんだという、生物のつながりというものをもう1回考え直して行く必要があるかと思います。実際に、夏とか冬とか、暑いね寒いねとか季節の話になるかもしれませんが、それを快適に過ごす工夫はいろいろあったわけです。いきなり冷暖房を使って、年中同じ気温でやって行こうというものではなくて、着るものであるとか、先ほどありました食べるもの、冬は煮物であるとか、体を暖めるものがあります。住まいでも、年がら年中住んでいましたら、暑かったり寒かったりします。ちょっとした工夫で、すだれをしたりとか季節に合ったものをやっていくということが必要になるかと思います。そういう工夫をして行って、とっても大切なのが、自分がどれだけ使ったのかをしっかりと把握しましょうということです。これはダイエットでも同じことです。ちゃんと体重を計っていないとダイエット出来ません。一番大切なのは体重をきちんと計ることです。今どれだけ使っているのか、そして前年度月の数字がありますので、去年に比べてちゃんと減らしたのかどうかということも、健診票を見ればすぐに分かります。何をしたから減ったのか、どうしたから増えたのかという理由が分かってきますと、そこで削減のポイントが見えてくるということになるかと思います。これは、そちらの展示の方にも作っておりますが、省エネ診断、どんなことをしたら家庭で削減が出来る取り組みがあるのかということを診断するソフトがありますので、環境家計簿とかと一緒にぜひ活用していただいたらと思います。ホームベージから誰でも自由に使えるようにもなっております。
さあ、こういう活動をしていますと1つやっぱり、どうしても課題になるところがあるかと思います。「自分1人が取り組んだって、世の中全然変わんないよ」というようなイメージがどうしても付きがちなところなんですが、実は非常に面白いことがあります。
最後にちょっとこの話だけしたいと思います。3人グループでの取り組みを考えて下さい。皆さん1人と、あと2人いるようなグループで、本当に省エネが始まるのかどうかという話です。変な人たちです。実はAさん、周りで半分の人が取り組んだら取り組みますよという、非常に内向きな人ですね。日本人の典型的なパターンです。自分から手を挙げてやりますよというところにいないのですが、周りで半分の人がやったら自分もやろうかという人です。それから、もう1人Bさん。周りで全員がやったら私もやりますよ、誰かやってない人がいたら私もやるの止めとこうという後ろ向きな人です。それと、あなたの3人グループです。省エネの話、食の安全の話、なんでも構いませんが、本当にこれで、この3人グループの取組みが始まるんだろうかと言いますと、どうもなかなか取り組みが始まりそうもないような雰囲気ですね。あなたが「やっぱり大切だよ」と思いながらも、「なかなか私も出来てないですよ。よく言われているけれども難しいね」などという話になりますと、まずBさんが出てきて「誰か取り組んでいない人がいたら、私やりませんよ。」という話で、周りを見回しますと「ほら、やってない人がいたじゃない」という事で、安心して「私やりません」ということになります。Aさん「周りで半分の人がやったら、やるんだけどなあ」と周りを見回して見てもだれもやっていませんので結局やりません。さあここで、もしあなたが「省エネは大切だし、自分たちもやって行かないといけないよ」ということで、やるということになったらどうなるかと言いますと、今度Aさんが反応します。「周りで半分の人がいたら始めます」Bさんがどうなってるか分かりませんが、2人の内の1人、半分の人が取り組んでいるわけですので「自分からはやらないけれど、半分の人がやっているのでやります」今度Bさんは「周りでやってない人がいたらやらないんだけど・・」Aさんもあなたもやってるから、しかたないなとということで始めます。みんなやり始めたんです。分りますか? 実はAさんもBさんも態度を変えていません。態度を変えてないのに、何で変わったのかと言いますと、あなたがやったかやらないかで、この3人グループの行動を変えてしまったのです。特殊な例のように思いますが、実はこうしたAさんBさん、特にAさんみたいな人というのは日本人に物凄くよくあるところです。考えてみたら分かると思いますが、自分からやろうというのは確かに難しいかもしれませんが「あっそう言えば、あの人やってるって言ってたなあ」「この人も、やってるって言ってたな」ということがあると、ちょっと取り組み易くなるかと思います。皆さんがやっている、一つ一つの行動というものは、実は自分だけの成果というだけでなくって、周りの人が見ています。自分が行動したということ、それが良かったよという話が自然と出来るようになれば、自然とAさんBさんという行動も変わって行くかと思います。やっているんだけれども、秘かにやっているのではだめです。やってますよ、そういうことが良かったですよという事を自然と話せるような社会になって行きますと、食の問題でも省エネの問題でも1歩進んで行くのではないかと思います。ぜひ、自分のところから取り組んでいただけたらと思います。
はい、これで私のお話は終わらせていただきたいと思います。どうも、有難うございました。
図1 地球温暖化の現状と最新動向気温上昇による影響
●海面上昇
●暴風雨の拡大
●干ばつ地域の拡大
●健康への影響
●生態系の破壊
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気温上昇予測
すでに0.7℃気温上昇
100年後に最大6.4℃の上昇
人間活動の影響
 ※2℃の気温上昇で深刻な影響があるとされている。
図2 家庭のエネルギー消費の実態
家庭のCO2 排出内訳
(国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィス)
・冷房は家庭では意外と少ない(ただし、業務系は冷房が多い)
・暖房・給湯などの取組が効果的
図3
大阪市の月別標準光熱費支出額
家計調査より:電力係数(関電2006?0.338kg/kWh)
大阪市の月別二酸化炭素排出量
家計調査より:電力係数(関電2006?0.338kg/kWh)
図4 お得で効果的な省エネ法
暖房の工夫:エアコン・ガス・灯油、どの暖房が省エネ?
図5 きゅうりの月別購入割合(年間消費量に占める割合-家計調査年報)